野の天然薬味 山椒

佐那河内村で毎年春の食卓に並ぶ薬味、山椒（サンショウ）。家々の庭の一角に植えられていたり、山に自生していたりと、知ってさえいれば村内で比較的簡単に見つけられる植物で、毎年春に生える若葉をちぎって手に取ると、特有の爽やかな香りに癒されます。この山椒は、少し前の記事で紹介した「木の芽和え」はもちろん、お肉やお豆腐、魚料理や汁物など、まるでスダチのように幅広い風味付けをして楽しむことができ、村でも古くから使われてきました。使う前に葉をパンっと手の平で叩くと、葉がびっくりして風味が増すと、以前山椒料理を振る舞ってくれたおばあさんに教わりました。また、少し後の季節に実を付ける種は「醤油漬け」にして翌年、ご飯のお供として楽しむことができます。至れり尽くせりのこの植物と身近で使える環境は、この村の魅力のひとつです。