公開日 2024年07月30日
令和6年7月17日(水)、徳島県公民館連絡協議会「講演会」「研究集会」に参加しました。特に心に残ったことを簡潔にお知らせします。
[講演会]
演題『公民館の魅力とは!?~全国の公民館をめぐって~』
〇子供たちにとって公民館とは、「知らない人に出会って、想像力を養ったり、相手のことを考えたりするきっか
けを与えてくれる場所」である。また、公民館のあり方は多種多様、地域それぞれでよい。
〇全国の公民館の実践事例
・地域住民有志が公民館でカレーを作って200円で販売し、食べに来た方同士で交流する場を作ったところ、お金
を払ってカレーを食べるという目的があるので、知り合いや友達が一緒でなくても参加しやすい場所となった。
・地域の方が遺し、家族が公民館に寄贈した書籍や絵本をイベントの目玉にして、人を集めた。子供たちに読み聞
かせなどを実施し、公民館が他域の人々の誇る場所となった。
・地域の方が講師となり、ウクレレ教室を開催した。プロの講師でなくても、地域住民が得意なことを活かせる場
所が公民館であり、教える人にも成功体験ややりがいが生まれる。
・地域の中学生が公民館のお祭りを企画・運営し、地域の大人たちに仕事を割り振るなど、イベントの主体となっ
た。その際は、失敗しても大丈夫という安心できる雰囲気を大事にすると子供たちに成功体験が残る。
・住人が公民館に数人集まってアイデアを出し、イベントを実施するようなグループが数多くあると、公民館が
「地域活性化の自由研究の場」となって、イベントが固定化しない。
〇公民館運営へのアドバイス
・地域の方の「何が得意かリスト」を作り、適材適所の仕事を割り振る。ある人はイベントの受付が得意ならば、
イベント毎に受付をしてもらうようにすれば、やりがいをもって参加し続けてもらえる。
・公民館はどの世代、誰でも参加できる、幅広く自由な活動でよいのではないかという視点を持つ。
[事例発表]
研究集会
〇北灘公民館を拠点としたまちづくり(鳴門市北灘公民館より)
・地域の歴史(1808年に伊能忠敬が訪れた歴史、板東俘虜収容所の歴史など)を公民館に展示したり、石碑を紹介し
たりして、住民が地域に誇りをもてるまちづくりに取り組んでいる。
〇牟岐町の公民館活動について(牟岐町公民館より)
・牟岐小学校の4,5,6年生と保護者を対象とした「シラタマ学級」の取り組みや、牟岐町内の水質検査体験、竹あ
んどん、石ころアート、流木照明、とんぼ玉づくりなどを実施している。
・分館親睦球技大会としてソフトボール、バレーボール大会を実施し、牟岐町文化祭に町内23団体が参加してい
る。
・成果は、子供たちと、参加する大人の地域愛を育成できたことであり、課題は、少子化や参加者の固定化であ
る。その課題解決に向けて、イベント毎にアンケートを実施し、次のイベントに活用する。
〇地域活性化として公民館教室生の取り組み(つるぎ町貞光公民館より)
・地域伝統の「廻り踊り」の活性化に取り組んでいる。踊り手有志が幼稚園や小学校を訪問し、子供たちと一
緒に踊って魅力を伝えている。
・エビネ蘭教室の主催による、エビネ蘭の展示会を開催している。
・半世紀に渡る「西瓜コンクール」の開催。当時の公民館長の提案で開始した。来場者も多く、西瓜の出来映え
に応じた表彰や、西瓜の重量当てクイズで景品をプレゼントするなど、工夫を凝らしている。
・成果は、町内のさまざまな団体が、地域活性化につながる活動をしており、主体性が育まれていることであり、
課題は、人口減少により公民館教室など、伝統の担い手が不足していることである。
・教室や伝統は、義務として継承するのではなく、子供たちが魅力を感じて楽しむ中で継承されるべきである。