公開日 2017年01月04日
更新日 2017年01月04日
スイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)について
平成28年度税制改正において,現行の医療費控除とは選択制で,年間12,000円を超える一定の医薬品を購入した場合の医療費控除(所得控除)の特例が新設されました。
この制度は,スイッチOTC医薬品によるセルフメディケーション推進の趣旨から設けられる制度です。
具体的には,定期健康診断やインフルエンザ等の予防接種を行った人(一定の取り組みを行った人)が,自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族が「かぜ薬」,「胃腸薬」,「鼻炎用内服薬」,「水虫・たむし用薬」,「肩こり・腰痛・関節痛の貼付薬」などスイッチOTC医薬品を年間12,000円を超える購入をした場合に医療費控除の特例が受けられます。(控除上限額88,000円)
現行の医療費控除との選択制(どちらか一方)となりますので,特例の適用を受ける場合には,現行の医療費控除の適用を受けることはできません。
適用期間:平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間(5年間)。
対 象 者:健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人。
この特例を受ける場合には,申告者が「一定の取組」を行っていることが前提。「一定の取組」の証明方法については,下の表を参照。
対象支出:自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係るスイッチOTC医薬品の購入の対価(12,000円以上)。
スイッチOTC医薬品の購入費用のみが対象。
スイッチOTC医薬品は現在約1,500種類が対象となっています。購入した際にレシートに控除対象品目であることが分かるように記載されています。
申告の際に必要なもの
1.申告者が「一定の取組」を行っている証明・・・下の表の提出資料
2.スイッチOTC医薬品を購入したレシート等
「一定の取組」の証明方法について(次のうち1つ以上選択)
番号 | 取組内容 | 提出資料 |
1 | 定期接種またはインフルエンザの予防接種を受けた | 領収書 |
2 | 市町村のがん検診を受診した | 領収書または結果通知表 |
3 | 会社の定期健康診断を受診した |
結果通知表(定期健康診断の記載がある場合) 定期健康診断の記載が無い場合は,番号5もしくは6を参照 |
4 | 特定健康診査を受診した |
領収書または結果通知表(特定健康診査の記載がある場合) 特定健康診査の記載が無い場合は,番号5もしくは6を参照 |
5 |
定期健康診断・特定健康診査・人間ドック等(※1)の 健康診査を受診した (常時使用される労働者の方) ※1 人間ドックのほか,保険者が実施する骨粗鬆症 検診やがん検診等の健康診査 |
結果通知表に ・勤務先名 (定期健康診断の場合) ・保険者名 (各健康保険組合等) のいずれかの記載がある場合は結果通知表
無い場合は勤務先(定期健康診断の場合)または保険者に証明 を依頼してください。 |
6 |
定期健康診断・特定健康診査・人間ドック等(※1)の 健康診査を受診した (常時使用される労働者以外の方) ※1 人間ドックのほか,保険者が実施する骨粗鬆症 検診やがん検診等の健康診査 |
結果通知表に ・保険者名(単に市町村名のみの記載を除く) の記載がある場合は結果通知表
無い場合は保険者に証明を依頼してください。 |
※1 領収書は原本,結果通知表は写し可。 ※2 結果通知表の健診結果部分は不要ですので,黒塗りまたは該当部分の切り取りをお願いします。 ※3 控除対象費用はスイッチOTC医薬品の購入代のみで,「一定の取組」に要した費用 (インフルエンザの予防接種費用など)は控除の対象となりません。 ※4 任意(全額自己負担)の健康診断は対象外。 |
現行の医療費控除との比較(どちらか一方の選択制)
スイッチOTC薬控除 | 現行の医療費控除 | |
適用期間 |
平成29年1月1日から平成33年12月31日まで の間の支出分 |
制限なし |
対象者 |
予防接種や定期健康診断など一定の取組を行う個人
※申告の際に予防接種時のレシートや定期健康診断 の結果通知表など一定の取り組みを行っている証明が必要です。 |
個人 |
対象支出 |
スイッチOTC薬の購入のみ ※レシートなどに控除対象品目であることが分かるように 記載されています。 |
通院や医薬品の購入を含む医療費 ※スイッチOTC薬の購入も対象となります。 |
控除対象となる支出額 | 12,000円を超えるスイッチOTC薬の購入費 | 10万円(所得200万円未満の人は所得の5%)を超える医療費 |
控除額 |
控除額=(その年中に支払った額-保険金等の額)-12,000円 (88,000円が限度) |
控除額=(その年中に支払った額-保険金などで補てんされる金額) -10万円(総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等×5%) |