公開日 2025年02月25日
石積みはその名の通りいくつもの石を積み上げて作られた塀や壁で、佐那河内村では農地や家屋、神社などたくさんの石積みを見ることができます。近年はコンクリートで補強されたものもありますが、従来の石積みは適切な形の石を適切な配置で重ねていくという方法で作られています。無意識に積めば良いというわけでは決してなく、石同士がしっかりと支えあう構造にしないと簡単に崩れてしまいます。石積みは日本に無数に存在しますが、その地域の石や職人の知恵と技術が詰まった結晶です。そこでこちらをシリーズとして少しずつ村の石積みを紹介していこうと考えています。
最初の石積みは、宮前地区、朝宮神社の石積みです。国道沿いに位置しているため目にしたことのある人も多いのではないでしょうか。この神社の祠は長く急な階段を上った先にありますが、土台部分全体に石積みが施されています。全体的にグレーの、中型のサイズの石が丁寧に敷き詰められ、日中は木漏れ日で照らされて非常に美しくたたずんでいます。朝宮神社が現在の位置に移転されたのは明応元年(1492年)という伝承があり、改修は施されているものの、この石積みも非常に長い間神社を守ってきたものと推測されます。