公開日 2025年02月07日
地域おこし協力隊の中村です
もう2月に入りましたが、新年あけましておめでとうございます。寒さも本格的になり、天気予防では2月4日から1週間ほどは日本全国に寒波が襲来し、村内も最低気温がマイナス表記が続くようで水道管が凍結・破裂しないか心配です。
令和6年度産のさくらももいちごも順調に出荷
12月初頭に化粧箱の初出荷があり、1箱10万円の高値をつけていただけました。しかしながら粒が比較的小さく、20玉での出荷です。やはり夏から初秋の暑さが影響し、一番果のサイズがあがりませんでしたね。首長というガクの近くが青く伸びてしまうイチゴも多く出てきてしまっています。
以前は初出荷が12玉という年度もあったようですが、ここ最近は小玉になっています。それでも他のイチゴと比較しても20玉サイズは十分大きいのですが、二番果以降に期待ですね。
ハウスの片付けが完了
篤農家での研修もあり、自分のハウスの作業もゆっくりと進めてはいましたがようやく朽ちたビニールの撤去が完了しました。本来ハウスに張るビニールは柔軟性があるものなのですが、張りっぱなしだと日焼け等も相まってカチカチパリパリの状態に変化します。ましてや4年以上放置していたハウスです。破れたビニールがパイプのあちこちに引っ掛かっていたり、雨樋付近に張っているビニールは触れようものなら小さな破片を飛ばしながら朽ちていきます。なるべく飛散させないように作業をするので非常に時間がかかりました。外し終えた後は少しでも飛散したものを改修するため、ハウス内外を歩いて確認して回収です。飛んで行っていた破片だけで45リットルのゴミ袋2袋分になりました。
次は苗床の改良
当地の苗床は全農家が育苗棚という地上から高さをあげた位置で育苗をしています。地面で直接育苗を行っている地域もありますが、雨ざらしの苗床の場合は土から媒介する苗の病気に対して非常にリスクが高く、頻繁の消毒などの対応が必要です。そして、何よりも姿勢がきつい。常にかがんでの作業は身体のどこかしらにダメージを蓄積していきます。その点、育苗棚での栽培は姿勢も楽になりますし、土壌の水はねによる病気のリスクを低減させることが出来ます。しかし、一般的に推奨される育苗棚の高さは80cm以上と言われていますが、現在の育苗棚の高さは55cmほどで膝と太ともの間くらいの高さしかなく、腰はかがめて作業する必要はありますし、水はねにも対応しづらい高さです。ですので、私の身長にあわせて改良することにしました。
↑草もボーボーで作業や管理が大変です。
まずは育苗棚を全て撤去
高さを変更するので支柱を一旦全て撤去しますがこれが重労働です。地中に深く刺さっているのですが、先は腐食していたり、土圧でなかなか抜けません。よじって抜く方法もありますが、パイプが歪んでしまうと再利用しづらくなりますので慎重に作業を行っていきます。
↑何もなくなると広く感じますね。
苗床には一面に防草シートを敷設します
農業を営む上で大変なのは雑草との戦いです。村内の農家も苗床の通路には防草シートを張っているところはありますが、そう多くはありません。雑草というのはこのくらいいいか、と思って放置しているとあっという間に伸びてしまい、範囲もどんどん拡大していきます。草刈りをしたり、除草剤を散布するのにも手間がかかりますので、せっかくならと今回は防草シートを一面に設置することにしました。防草シートにもグレードのようなものがあり、当然ながら厚手で丈夫な製品ほど高価になりますので、初期投資としても許容内の価格帯の製品を選びました。
シートを敷設する前には整地が必要なのでまずは雑草の除去
以前通路に敷設されていた防草シートは穴だらけで、劣化もありぼろぼろでした。除草剤は前もって散布していたので雑草は枯れていますが、枯れた雑草や残った根が一面に広がっています。それらをレーキや草抜き器で可能な範囲は除去しましたが、より丁寧にいくなら一面の浅い部分だけでも管理機や耕運機で耕し、残った根などをしっかりと断った後にそれらを除去するのがいいそうです。でも範囲が広すぎて個人ではなかなか難しいですよね。
↑枯草や根をいくら集めても終わりません!
次は表面を転圧
徳島市内にある機械レンタル業者の喜田リースさんにプレートコンパクターという転圧を行う機械をレンタルしました。ボコボコした地面を鉄板で叩いてならして固めていく機械ですね。敷設した防草シートの下がボコボコしていると空間が出来てしまい、その下で雑草が伸びてしまいやすいそうです。真っ平ら、とまではいきませんが、なるべく平坦を多くとれるように何度も往復します。
防草シートは除草の手間を減らすだけではない?
敷設によって除草の必要性が今後まったくゼロになるわけではありません。もしかすると破れたり、すき間から草が生えてくるかもしせませんが、それに対してはぼちぼちと対応していこうと思います。それよりも私が期待しているのは土壌の水はね軽減です。育苗棚の高さを上げ、防草シートでの水はね対策も出来ると病気にかかるリスクはぐっと減らすことが可能です。
いちご塾二期生も作業の手伝い
塾生が新規就農する際、すでにある苗床を借りることが出来る場合もあれば、ゼロから新しく立てる必要があります。今回私は立て直しをしていますが、育苗棚は一度立ててしまうと修正したり、立て直すことはそうあることではありません。二期生にとっては来年度自分が準備するためのいいイメージづくりになっているのではないかと思います。
いちご栽培は苗七分作
4月からは地域おこし協力隊も卒業して新規就農となり、自分で親株の管理が始まります。苗半作ではなく苗七分作と言われるほど、いちご栽培は苗づくりでその後の生長・収穫が決まるとさえ言われています。いかにして病気のリスクを減らしていくか、そして省力化をどのようにして図ることが出来るかを日々考えています。そして、これからも資材の高騰は続くようです。親株や子株に使っていた土も一袋1,500円ほどまで高騰しており、今後はハウスの中以外の土づくりにも目を向けていかなければならない時期がやってきているようです。
総集編にその他の記事もあるので是非ご参照ください。
総集編 https://www.vill.sanagochi.lg.jp/docs/2023052300025/
↑ハウスの土壌改良に今後馬糞堆肥の使用を検討しています。
お問い合わせ
佐那河内村役場 産業環境課
TEL:088-679-2115