公開日 2023年11月22日
更新日 2024年02月28日
地域おこし協力隊 佐那のいちご塾1期生の中村です。
11月も終わりに近付き、寒さでコタツや布団から出てきにくい季節がやってきました。
11月は報告内容が盛り沢山なので、Vol.7 イチゴ・狩猟編とVol.8 スポーツ編の2つにわけてアップします。
それではVol.7のイチゴ・狩猟編をはじめましょう。
晴れの日はハウス内をミツバチがせっせと。
イチゴは花蕾も順調に出て、受粉を助けるために11月の初旬からミツバチがハウスの中を飛び交っています。受粉にも大まかに2種類あり、野生の虫が勝手にしてくれる「自然受粉」と人間が手作業で農作物の受粉を助ける「人工授粉」という方法があります。イチゴは写真を見てもわかるように、花の数は膨大です。
これら全ての受粉を人間の手で行うことは途方もない作業ですし、現実的ではありません。そこで、ミツバチの巣箱を置き、受粉の仕事を人間の代わりにやってもらおう、という方法で受粉を促しています。
ハウスの規模によって中の巣板を何枚入れるか、レンタルなのか買い取りなのか、など、農家によっても契約が違うそうです。ミツバチにも花粉だけではなく、ちゃんとエサをあげて収穫・出荷終了時期まで頑張ってもらいましょう!
電照の準備も万端。
当地の「さくらももいちご」は夜間に間欠的に電気を点ける、電照栽培を行っています。ハウスの端から端まで電球を繋げ、点灯するかの確認を行いました。上のハウス内写真が点灯チェック時です。何個かは電球が切れてしまっていましたが、交換して無事に点灯チェックは終了しました。夜間にハウスに灯りがともっていると幻想的な雰囲気がありますよ。
村の有害鳥獣駆除期間が終了、しかし、次は狩猟シーズンの到来。
村に移住してきて5月から開始した有害鳥獣駆除が10月31日で一旦終了しました。基本的に家の近場で数ヶ所のみの罠設置でしたが、約半年間で10頭以上のイノシシ・シカの捕獲となりました。山を歩くと獣道はそこかしこにあり、設置場所や設置個数を増やすともっと捕獲出来るのでしょうが、なかなか手が回らないのが現実です。罠の設置も鳥獣との知恵比べではありませんが、やはり考え無しで獲れるものでもありません。
極力、イノシシ・シカの前脚を括(くく)りたい。
基本的にくくり罠を用いていますが、なるべく可食部の多い前脚をくくるように罠の位置を調整しています。この通り道であるなら、ここを前脚で踏み込むだろう、といった感じですね。
↑いいところくくってます。
イノシシは腹部や背部も可食部が多いのですが、シカは後脚が一番多く肉がとれます。シカのお腹まわりはほとんど肉がなく、スリムな体型をしています。ですので、動きを制限する意味も含めて猟師は前脚くくりを目指すのです。
シカの頭骨の剥製を作成中。
有害鳥獣駆除の期間に立派な角持ちが続けて罠にかかりました。せっかくなので頭骨の剥製をつくってみようとインターネットで方法を検索しましたが土に埋めたり、寸胴で煮込んでみたりと様々です。その中でもふと、庭にある優秀な存在を思いつきました。村で導入を推奨している「キエーロ」という生ゴミ処理に使う木製コンポストです。
横幅100cm、奥行き・深さとも50cm程度と容量は十分です。普段は生ゴミ処理にせっせと働いてもらっていますが、微生物の力で組織がどれだけ分解されるのか、今回実験をしてみました。普通の山土であれば分解まで一年近くかかるそうですが、キエーロの中ではわずか1か月でだいたいの肉や脂肪の分解が完了したのです。
推奨されている黒土をホームセンターで140Lほど購入するのは高くつきましたが、微生物の分解速度はまったく違います。改めてキエーロの優秀さを知ることが出来た実験でしたので、今後も生ゴミ処理に大活躍間違いなしです!
11月15日からは猟期が始まりました。
有害鳥獣駆除期間は村で定められた鳥獣のみの捕獲でしたが、猟期が始まると国が定めている狩猟鳥獣が捕獲の対象となります。このシーズンにカモ類、キジ、ヤマドリといった鳥類の鳥撃ちを行います。狩猟を始めてわかったのが、カモのガラからとる出汁の美味しいこと!アクをとりながら調理すると、本当に黄金色のスープが完成するのです。それをベースに味付けしていくと、その日の鍋時間は至福のひとときですね。今猟期はエアライフルも導入したので、以前のように散弾が肉にいっぱい、ということは少なそうなので楽しみです。
↑青首といわれるマガモのオスです。カモの翼にあるグラデーションカラーが目を引きますね。
それでは、安全狩猟を第一に今期もぼちぼちやっていこうと思います。
総集編にその他の記事もあるので是非ご参照ください。
総集編 https://www.vill.sanagochi.lg.jp/docs/2023052300025/
お問い合わせ
佐那河内村役場 産業環境課
TEL:088-679-2115
E-Mail:sankan@sanagochi.i-tokushima.jp