学術講演会 - 中世の佐那河内村 勧善寺大般若経が語る地域史

公開日 2023年09月29日

学術講演会 - 中世の佐那河内村 勧善寺大般若経が語る地域史

 

佐那河内村は、長い歴史があると言われますが、現状いつその呼び名がどのように誕生したのかを含む歴史的文献は、多くが紛失していることもあり、はっきりと分かっていないことが多いです。そんな中、佐那河内の名前が記載された文献として、隣の神山町勧善寺に所蔵されている「大般若経(大般若波羅蜜多経)」が存在します。大般若経は、全600巻からなる書物です。佐那河内の文字が見られる307-310巻が含まれる勧善寺の大般若経は1387年〜1389年に書写されたと言われています。

 

学術講演会 - 中世の佐那河内村 勧善寺大般若経が語る地域史

 

9月24日(日)の午前中、村役場において、「中世の佐那河内村 勧善寺大般若経が語る地域史」と題した学術講演会が開催されました。徳島県立博物館・鳥居龍蔵記念博物館の長谷川賢二さんが、佐那河内と一緒に書かれた「主蓮寺」という、今の村には存在しない寺があったこと、寺社や宗教者の地域をつなぐ役割の考察など、村の歴史を紐解く上で重要な考察を含む講演をしました。集まった多くの人が興味深く聞き入っていました。このように村に歴史のヒントとなる資料が見つかり、徐々に村の歴史が紐解かれていくことを願います。