村の方言「ひどい」

公開日 2022年07月15日

更新日 2022年07月15日

村の方言「ひどい」

徳島県に暮らす人々は、ほなけん(だから)、どちらいか(どういたしまして)など、さまざまな方言を含む「阿波弁」を話します。佐那河内村でも同じように阿波弁が使われるのですが、徳島で生まれ育った人でも村ではじめて耳にする方言に「ひどい」があります。一般的には物事が非常に悪いことをさす「ひどい」という言葉ですが、佐那河内村では「大変であること」や「苦労する」ことの意味で使われることがあります。「昨日は炎天下の草刈りが大変だった」に対し、「ひどいな(それは大変でしたね)」など、相手を労うときに使われることが多く、知らずに聞くと何がひどいのかと首をかしげてしまいます。同じような用途で使われる阿波弁に「えらい」がありますが、これが変化して使われるようになったのか、具体的には不明ですが、地域によるちょっとした方言を発見するのは楽しいものです。村で「ひどい」という言葉を聞くことがあっても意地悪ではないので誤解しないように。