みかん

公開日 2022年01月21日

更新日 2022年01月21日

佐那河内村のみかん01

みかんは、佐那河内村で広く作られる代表的な農産物のひとつで、11月中旬から翌3月下旬まで全国に出荷されます。その美味しさに加え、収穫期に村の山々をオレンジ色に彩る非常に美しい風景をもたらしてくれる、村にとって欠かせない要素です。ここでは、佐那河内村でのみかんづくりの歴史や農風景などを簡単にご紹介します。

 

佐那河内村とみかんの歴史

佐那河内村のみかん05

村史(530ページ)によると、佐那河内村でみかんの生産が始まったのは明治維新よりも少し前だったそうです。最初は品種や収量も少ない状態からスタートしましたが、日露戦争があった1904年頃には村全体で栽培を行うようになり、昭和の時代には村の一大産業になりました。みかんの市場規模の拡大とともに大成功を収めたみかん農家の人々も多くいましたが、その後生産過多による値段の低下や、昭和56年の大寒波により、ある一定の標高以上に植えられていたみかんの木がほとんど全滅しました。しかし、みかん農家の人々がこの困難を乗り越えたことで、今でも村の各地に広く美しいみかん畑を見ることができます。

 

みかんの収穫

佐那河内村のみかん06

みかんの収穫は12月頃、村の各地で美しい橙色に色付いたみかんが見られるようになってから始まります。一部早生みかんという早期に収穫・即時出荷させる品種がありますが、多くのみかんは12月末頃までの期間内に徐々に収穫されていきます。この時期は荷台いっぱいにみかんを積んで移動する軽トラを見る頻繁に見かけ、日が経つごとにオレンジ色の畑が無くなっていく様子から時の経過を感じることができます。

 

佐那河内村のみかん04

手際よくみかんを収穫する農家の人々の風景。広大な畑を持つ農家さんも多く、収穫は家族総出だけでは足りず、周辺の農家さんの力も借りて行われることが多いです。皆さん楽しそうに世間話をしながらも、収穫の動きには無駄がなく、みるみる間に籠にいっぱいのみかんが積まれていきます。

 

みかんの貯蔵

佐那河内村のみかん02

佐那河内村で生産されるみかんの多くは「貯蔵みかん」という、収穫後すぐには出荷されず数カ月各農家の蔵で寝かされ、上質な甘さを蓄えていく品種です。このみかん蔵、みかんを腐らせないよう、常に新鮮な空気の流れを作るために地下に長い通気口が掘られ、工夫をこらした作りになっています。

佐那河内村のみかん03

しっかりと品質を管理され、うまみが凝縮されたみかんは、2月から3月下旬まで出荷されます。シーズン中は村の産直市を彩ります。

 

全国から高い評価を受ける上質な甘み

佐那河内村のみかん07

昼夜の寒暖差の大きい佐那河内村の山間部で育てられ、蔵で甘みをじっくりと蓄えたみかんは、毎年ふるさと納税でも大変人気があります。他にも不知火(デコポン)、ぽんかん、はっさく、チャンドラポメロなど大小さまざまな柑橘類と共に、冬から春先にかけて毎年村に美味しさを届けてくれます。