吉永商店

「お役に立てたら」の気持ちで、店主の政子さんは、今日もお店に立っている。「吉永商店」は、酒・タバコ・食料品・衣料品などはもちろん、今となってはどこのお店にも売ってないものも売っている「よろず屋」だ。探しても探しても売っていないものは、一度吉永商店に尋ねてみて欲しい。1903年（明治36年）に創業して以来、地域の方の「これを店に置いてほしい」「あれを置いてほしい」という要望に応え続け、いつの間にか「よろず屋」になっていたのだ。今では、あの人が好きそうだなと、特定の人の顔を思い浮かべながら仕入れることもあるのだとか。「お役に立てたら」の気持ちで118年（2021年現在）の歴史を刻んできたのだ。レジ前には、３脚の椅子が並んでいる。お客さんがここに座って政子さんとのお喋りを楽しむのだそう。吉永商店は、モノを売るただのお店ではない。充実した暮らしに必要な交流というモノまで揃っている地域の方々の拠り所なのだ。

 

何でも揃う吉永商店だが、特におすすめは、神山町のお菓子屋さんが作っているアンパン、佐那河内村の腕自慢が作るこんにゃく、そして毎週火曜日に並ぶちくわなどの練り物だ。どれも素朴ながら、丁寧に手作りで作られている。地元のものを心がけて取り扱っている理由も、「少しでも地域のお役に立てたらいいと思って」と言う。どこまでも「お役に立てたら」の精神で、今までの、そしてこれからの佐那河内村を支えているのだ。

 

 

■吉永商店

　住所：徳島県名東郡佐那河内村上字中辺７０－２

　電話番号：088-679-2154

　営業時間：8時～20時

　定休日：日曜日