米田さんの山菜狩り

公開日 2020年06月26日

更新日 2020年06月26日

日本の野山の風習 わらび狩り

※この記事は、外国語指導助手(ALT)として佐那河内村で暮らすカナダ人、べサニー・ジョンソンさんが、外国人の目線で村の人々や文化を取材し、纏めた英文を翻訳したものです。

English Article

ここ田舎の佐那河内には平和で穏やかな時が流れています。冬が終わり、春が来ると暖かい気候や新緑、咲き誇る花々が心を癒してくれます。

新しい芽生えの季節、佐那河内の山間部に住む人々は、私たち外国人が普段気にも止めないような雑草を、薬草や野菜として日々の暮らしに取り入れる習慣があります。村の人々に使われる草花は「山菜」と呼ばれ、ここ佐那河内村にはたくさん生えています。4月になるとワラビという山菜が乾いた土から生え、山や畑を敷き詰めます。

私の友達、米田美紀さん、彼女の畑での春の恒例行事、ワラビ採りに招待してくれました。

 

初めての山菜狩り

「先が茶色く曲がっているものを探すように。」と、美紀さんは教えてくれました。山菜は美味しいという言葉に、私は半信半疑でした。2年以上村で暮らしてきましたが、ワラビのような山菜をこれまでの人生で見た事がありません。私が生まれたカナダのアルバータ州は、佐那河内村よりずっと寒く、植物の種類もこことは大違いです。幼い頃、私はよく母の庭の雑草を抜く手伝いをしていましたが、それが役に立つとは思っていませんでした。

ただ、気を付けなければならない事もあります。私達がワラビを採っている時、美紀さんは先が丸く閉じているものを選ぶように言いました。もし、先が開いていたら味が変わってしまい、しかも毒があるかもしれないそうです。だから若いワラビだけ採るようにします。

 

ワラビの調理方法

採り終えた後、ワラビはアクを取り除かなければなりません。美紀さんは灰を使った伝統的な方法を私に見せてくれました。アクを取るために、ワラビに灰をかけて熱湯を上から注ぎ、ひと晩置いておきます。その後きれいに洗って、味付けをします。色々な調理方法がありますが、私は沸騰させた湯の中に、ワラビ、だしの素、砂糖、醤油を入れて調理をするのを薦められました。ワラビはアスパラガスと似ていますが少し苦味があってネバネバした食感です。良い副菜です。

ずっと都会に住んでいた私には、田舎の生活はまだわからないことでいっぱいです。佐那河内の人達と話をして、そのおかげで新しい事に挑戦する機会を持てて心から感謝しています。

米田美紀さん