公開日 2020年03月31日
更新日 2020年04月08日
冬と春を繋ぐ花
佐那河内村の多くの畑で、冬から春先にかけて栽培される菜の花。昔は菜種油用に作られていましたが、明治時代あたりからつぼみと、そのまわりのやわらかい葉と茎が広く食されるようになりました。独特でほのかな苦みが美味しい菜の花は、カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄など、豊富なミネラルやビタミンCなど、高い栄養価をもつ緑黄色野菜です。
収穫前の菜の花畑
周囲の山がまだ茶色い3月初旬、収穫期の菜の花畑は、一足先に鮮やかな緑で覆われます。そのなかで農家の人々が菜の花を収穫する風景は、村で見られる日本の原風景のひとつです。
大きく広がる葉の間を覗き込むと、ちょこんと姿を見せるつぼみ。開花前の良質なものを選び、ひとつひとつ手で摘んでいきます。よく見ると何十、何百というつぼみが見つかり、収穫作業の大変さがうかがえます。
食卓に並ぶおひたし
菜の花の食べ方はなんといってもおひたし。佐那河内村でも、春先になると産直市で購入できる新鮮な菜の花を湯で、醤油やみりんで簡単に味付けしたおひたしが食卓に並びます。冬の名残を思わせる爽やかな苦みを楽しめます。
収穫後の黄色い花畑
収穫が終わる3月末になると、村の様々な場所で一面の黄色い花畑が見られるようになります。菜の花は、毎年春の訪れを知らせる美しい風景と爽やかな味わいで、村の人々を癒してきた村が誇る農産物です。